「食べる」だけが沼津港の楽しみ方ではない。揚げたてのアジフライをかじりながら港を歩く、みかんの生ジュースを片手に波止場を眺める、帰り際に干物をどっさり買い込む——テイクアウトや食べ歩きもまた、沼津港ならではの体験のひとつだ。
沼津港なびが登録する84店のデータを確認したところ、テイクアウト対応が確認できた店は22店あった。食べ歩き向けの軽食・揚げ物から、スイーツ、和菓子・お茶、干物・鮮魚、さらにご飯系まで、ジャンルは多岐にわたる。本記事ではその22店を全件、ジャンル別に紹介する。
なお、営業時間・定休日・予算等のデータは記録時点のものであり、実際の営業状況は変わる場合がある。訪問前に電話や公式SNSで最新情報を確認することをおすすめする。
食べ歩きに最適!揚げ物・軽食系テイクアウト
港の空気をおかずに食べる揚げ物・軽食系のテイクアウトは、沼津港で最もポピュラーな食べ歩きスタイルだ。賑わいのある千本港町の通りを歩きながらかじれる4店を紹介する。
全国の魚介グルメを競う「Sea級グルメ」コンテストでグランプリを受賞した「あじたるサンド」は、揚げたての地アジフライを特製バンズに挟んだ沼津港名物のひとつ。パンに染みた油の香ばしさと、ぷりぷりした地アジの食感が相性抜群だ。シンプルに揚げたてをそのまま食べる「極生アジフライ」も人気で、港の風と一緒に味わうのが通の楽しみ方。不定休のため、訪問前に確認を。
静岡ではなじみ深い「黒はんぺん」は、白いはんぺんと違って魚のすり身を多く含み、濃厚な旨みが特徴だ。大正創業の老舗「やいづ屋」が手がける揚げたて黒はんぺんをその場で食べられるのがこの店の強みで、サクッとした衣の中からじわりとにじむ魚の旨みがくせになる。平日・土日祝ともに15:30前後には営業終了のため、昼を過ぎたら早めの訪問を。火・水曜が定休日。
磯揚げ まる天(港八十三番地)は、たこ棒・えびマヨ棒・揚げたての練り物を食べ歩き向けに販売する店だ。営業時間は10:00〜17:00(木曜定休)、予算〜1,000円。全国展開している「まる天」の沼津港店で、揚げたての練り物を串に刺したスタイルが港散策のお供にちょうどいい。
壺芋とバター(千本港町124・潮さい市場1階)は、壺を使ってじっくり焼き上げた「壺焼き芋」に発酵バターをかけたスイーツ系軽食の店。営業11:00〜15:00(火曜+不定休)、予算〜1,000円。甘さとコクのバランスが人気で、特に寒い季節の港散策にぴったり。不定休が多いため、事前確認を推奨する。
甘いものが食べたい!スイーツ・カフェ系テイクアウト
海鮮の濃い味のあとに食べたいスイーツ、港カフェのドリンクやケーキもテイクアウト対応の店が揃っている。6店を紹介する。
「たんふる」はフルーツを飴でコーティングした食べ歩きスイーツで、つやつやと光る見た目がSNS映えしやすい。いちご・マスカット・みかんなど季節ごとにラインナップが変わるため、同じ港でも訪れるたびに違う楽しみ方ができる。わたあめやかき氷もあり、子ども連れのファミリーにも人気。定休日は「要確認」のため、直前に確認を。
鮮やかな青色のプリンは、食べる前と後でその変化を楽しめる体験型スイーツとして注目を集めている。ジェラートの種類も豊富で、テイクアウトして港沿いをぶらぶらしながら食べるのにちょうどいい。年中無休で営業しているため、平日でも休日でも安定して立ち寄れる点が大きな魅力だ。
沼津港入口近くに位置するPort Cafeは、手作りシフォンケーキや季節フルーツのパンケーキをテイクアウトできるカフェ。港の入口という立地を活かし、これから港に入る前のついで立ち寄りにも、港散策を終えた帰り際にも使いやすい。営業開始が12:30からのため午前中は利用できない点は注意。予算は1,000〜2,000円台。
沼津深海プリン工房(ぬまづみなと商店街・千本港町97)は、沼津の深海をテーマにしたユニークなパッケージが特徴の「深海プリン」を販売する1号店だ。金賞受賞歴を持つプリンは、お土産としての人気も高い。営業時間は10:00〜17:30(年中無休)、予算〜1,000円。年中無休で利用しやすく、深海水族館とセットで訪れる観光客にも好評。
アイスは別腹 沼津港店(みなと旬彩街)は、22:00という遅い時間まで営業している夜パフェ専門店だ(無休)。約30種のパフェを用意しており、夕食後に港でパフェを楽しむという特別な体験ができる。予算〜1,000円。夜の港エリアで開いている数少ない甘味処として重宝する。
cafe ラティメリア(港八十三番地・千本港町83)は、沼津焙煎コーヒーのテイクアウトとソフトクリーム、さらに「鯖サンド」「メヒカリ唐揚げ」といった港らしいフードもテイクアウトに対応している。営業時間9:30〜17:00(木曜定休・繁忙期除く)、予算〜1,000円。コーヒーを片手に港歩きを楽しみたい人に向いている。
お土産にも!和菓子・お茶・パン系テイクアウト
港での食べ歩きだけでなく、家族や職場への手土産として買って帰れる物販系テイクアウトも充実している。和菓子・お茶・パンのジャンルから6店を紹介する。
静岡県内に複数店舗を持つ老舗和菓子ブランド・田子の月が沼津港に出す店。「おかげ天」の実演販売は、目の前で焼き上がる様子を見ながら買える港限定の体験だ。焼きたての団子もテイクアウト対応で、食べ歩きと手土産の両方を同時に満たしてくれる。10:00〜17:00(木曜定休)の営業で計画に組み込みやすい。
富士山麓で育てられた鶏卵を使った玉子焼きは、甘みと旨みのバランスが丁寧な仕上がりだ。土日祝は7:30という比較的早い時間から開いており、朝の港散策のスタートに立ち寄ることができる。もつ煮込みも提供しているとのことで、甘い玉子焼きと合わせてボリューミーな朝食として楽しむ使い方もある。
十勝産あずきを使った薄皮たい焼きは、皮のパリっとした食感とたっぷりのあんのバランスが特徴。港周辺エリアにあり、食べ歩きしながらその場でかじるのはもちろん、数個まとめて家族のお土産にするケースも多い。11:00〜16:00という比較的コンパクトな営業時間なので、訪問のタイミングには注意しよう。
静岡のお土産としてお茶の葉を選びたいなら、専門店で選ぶのが間違いない。深蒸し茶・ぐり茶・掛川茶と、産地・製法が異なる複数の静岡茶を扱い、好みのものをじっくり選べる。「お茶詰め放題」というユニークなサービスもあり、コスパよくまとめ買いしたい人に人気。不定休のため、訪問前に確認を。
伊豆のいちごを使ったいちご大福は、みずみずしい果実とやわらかい求肥の組み合わせが評判。土日は9:30から開いており、朝の早い時間からの購入も可能だ。買ってすぐ食べても、持ち帰ってお土産にしてもよく、使い勝手がいい。水曜定休。
ベーカリー ラトレッタ(港八十三番地・千本港町83)では、イタリア小麦を使ったパンと「海鮮パン」をテイクアウトできる。海鮮パンは港ならではのユニークな商品で、沼津らしいお土産のひとつとして選ばれることも多い。平日11:00〜17:00、土日10:30〜17:00(水曜定休)、予算〜1,000円。
朝から買える!干物・鮮魚のお持ち帰り
沼津港を代表する名産品・干物。食べるだけでなく、買って帰れる物販型の干物・鮮魚店も、テイクアウト対応の店に含まれる。朝から営業していることが多く、午前中の港訪問と組み合わせやすい。
創業130年の歴史を持つマルヤ水産の港直営1号店は、朝9:00から干物・漬け魚・粕漬けを購入できる。元旦以外は年間を通じて営業しており、訪問しやすい。干物は種類が豊富で、沼津らしいお土産として持ち帰る観光客が多い。予算帯はデータに記載がないため、購入前に店頭で確認を。
マルヤ水産 港直営2号店(ぬまづみなと商店街・千本港町122-6)も同じく9:00〜15:00営業で、元旦のみ休業。干物・漬け魚・粕漬けを扱う。1号店と近距離に位置しており、両店を見比べながら選ぶこともできる。予算帯はデータに記載がないため、店頭で確認を。
横屋(みなと旬彩街・千本港町115-4内)は、19:30まで干物を購入できるという、干物店としては遅い時間まで開いている店だ(木曜定休、予算〜1,000円)。「しょ汁干物」「鯖の醤油干し」「ぺちゃんこヒモノラ」など個性的な商品が並ぶ。午後遅い時間の港訪問でも干物を買えるのは大きなメリットで、夕食前のまとめ買いにも活用できる。
ガッツリ食べたい!海鮮丼・ご飯系テイクアウト
食べ歩きではなく、しっかりした食事をテイクアウトしたい場合に対応しているのが以下の2店だ。
みなと新鮮館に入る武田丸2号店は、飲食と物販の両方に対応するハイブリッド型の店だ。看板メニュー「オリーブオイル海鮮丼」はイートインが基本だが、テイクアウトへの対応については店頭で確認を。物販コーナーでは干物・漬け魚を9:00から購入でき、食事のLOが14:30という情報があるため、海鮮丼目当ての訪問は早めがよい。
うなぎ処 京丸(春日町33-7・港周辺)は、うなぎ蒲焼のテイクアウトを扱う(火曜定休)。月〜木は11:00〜15:00・17:00〜20:00の二部制、金土日祝は11:00〜21:00と、夜の時間帯にも対応している。予算は1,000〜2,000円台。蒲焼をテイクアウトして宿泊先でゆっくり食べる、という楽しみ方もできる。
港散歩のお供!ドリンク系テイクアウト
歩きながら飲めるドリンクのテイクアウトも、港散策の定番スタイルだ。
静岡・沼津が誇る「寿太郎みかん」を100%使った生ジュースは、その場で搾った濃厚な甘さと香りが魅力。寿太郎みかんは大ぶりで糖度が高く、生ジュースにすると果物本来のジューシーな旨みが際立つ。10:00〜17:00の営業で定休日は「要確認」となっているため、訪問前に確認しておくと安心。港八十三番地の通り沿いにある。
エリア別・時間帯別に選ぶポイント
22店を通して見えてきた傾向と、利用時に役立つポイントをまとめる。
エリアで選ぶなら——港八十三番地(千本港町83)には田子の月・ラトレッタ・いちごプラザ大福や・寿太郎号・まる天・cafe ラティメリアの6店が集まっており、一度に複数立ち寄れる密度がある。ぬまづみなと商店街(千本港町97〜124帯)にはCandy fruits・青とプリンとジェラートと・沼津深海プリン工房・マルヤ水産の両店が点在し、スイーツと干物の両方を一帯で揃えやすい。港周辺の千本港町115〜122帯には、あした葉・はんぺん屋・たい焼き本舗・壺芋とバター・木村屋・お茶処志ひろ・アイスは別腹と、食べ歩き系・和菓子系が多く集まっている。
朝早い時間帯に行くなら——干物・物販系ではマルヤ水産両店が9:00から、武田丸2号店の物販コーナーも9:00から対応。スイーツ・和菓子系では木村屋が土日祝7:30から、いちごプラザ大福やが土日9:30から営業している。
夕方・夜の訪問なら——横屋が19:30まで干物を購入可能。うなぎ処京丸は金土日祝に21:00まで対応。アイスは別腹は22:00まで夜パフェを提供しており、夕食後のデザートとして港内で利用できる。
年中無休・ほぼ通年営業の店——青とプリンとジェラートと・沼津深海プリン工房は年中無休、マルヤ水産両店は元旦のみ休み。安定して訪問できる店として、旅行プランに組み込みやすい。
「不定休」「要確認」の店に注意——22店のうち不定休や要確認と記載されている店が複数ある(あした葉・壺芋とバター・お茶処志ひろ・寿太郎号・Candy fruits)。特にこれらを目的地にする場合は、公式SNSや電話で事前確認するひと手間を惜しまないことをすすめる。
予算帯について——22店のうち〜1,000円の予算帯が18店を占め、ふらっと気軽に立ち寄れる価格帯がほとんどだ。1,000〜2,000円台は武田丸2号店・うなぎ処京丸・Port Cafeの3店で、少しリッチなテイクアウトを楽しみたい場合の選択肢になる。マルヤ水産両店は予算データが未登録のため、購入前に店頭で確認してほしい。
沼津港のテイクアウトは、海鮮丼や定食を食べる「着席グルメ」とは別の楽しみ方として、港滞在の質を大きく上げてくれる。1店だけに絞るより、ルート上にある複数の店を組み合わせながら歩くのが沼津港テイクアウトの醍醐味だ。この記事を片手に、自分だけの食べ歩きコースを組み立ててみてほしい。
