沼津には温泉宿が6軒あります。数は多くありませんが、1軒ずつ湯も立地もまるで違います。
沼津市唯一のにごり湯、太宰治が泊まった国の登録有形文化財、創業150年以上の老舗、ダイビングの聖地に建つ宿。この記事では6軒の湯と特徴を並べて、どこに泊まるかを選べるようにまとめます。
宿泊料金は時期やプランで変わるので、ここでは湯の種類・立地・日帰りで入れるかどうかを軸に比べます。
6軒を一覧で比べる
日帰り入浴の料金と時間は、各宿の公式サイトで確認した2026年8月時点の内容です。
| 宿 | 場所 | 湯 | 特徴 | 日帰り入浴 |
|---|---|---|---|---|
| 割烹旅館 翠泉閣 | 下香貫 | 月の湯温泉(にごり湯) | 沼津市唯一のにごり湯 | 1,000円・要電話 |
| 安田屋旅館 | 内浦三津 | 湯の花温泉 | 太宰治ゆかり・国の登録有形文化財 | 1,000円・12〜14時/18〜20時 |
| 戸田温泉 ときわや | 戸田 | 戸田温泉 | 創業明治3年・無料の貸切露天 | 800円 |
| KKR沼津はまゆう | 志下 | 熱海温泉(運び湯) | 富士山と駿河湾を望む | 1,000円・平日14〜17時 |
| 海のぺんしょん マリンビュー | 戸田 | ミネラル湯(人工温泉) | 海まで徒歩5分 | 要問い合わせ |
| オーシャンビューフジミ | 大瀬崎 | ― | ダイビングの聖地・全室オーシャンビュー | 公式に案内なし |
6軒のうち4軒が海沿い(内浦・戸田・大瀬崎・志下)で、市街地にあるのは翠泉閣だけです。
1軒ずつ見ていく
割烹旅館 翠泉閣|沼津市唯一のにごり湯
沼津市下香貫。沼津市で唯一のにごり湯がある宿です。
湯の名前は「月の湯温泉」。公式サイトによると、アポロが月面に着陸した年に掘り当てたことからこの名前が付いています。黄褐色の冷泉を加温して使っています。
泉質は含鉄(Ⅱ)-カルシウム・マグネシウム 硫酸塩冷鉱泉(低張性・中性・冷鉱泉)。岩風呂の大浴場があります。
面白いのは、もう1つの浴槽が温泉ではないことです。2つ並んだ湯船のうち透明なほうは、柿田川水系の富士山の湧き水を使っています。小浴場も同じ湧き水です。にごり湯と湧き水を並べて入り比べられるのは、この宿だけです。
大浴場と小浴場は時間で男女が入れ替わります。日帰り入浴は大人1,000円・子供500円(小学生まで)。宿泊客を優先するため、事前に電話が必要です。タオルセットは別料金で300円です。
安田屋旅館|太宰治が泊まった国の登録有形文化財
沼津市内浦三津。明治20年創業で、数寄屋風造りの建物は国の登録有形文化財です。太宰治が滞在し、小説『斜陽』の一部を書いた宿として知られています。
公式サイトによると、それぞれの浴室に太宰の小説の題名が付いています。庭園檜風呂、野天石風呂、富士と海が見える石風呂があり、竹林の渡り廊下を通って高台の浴室へ向かう造りです。
泉質は単純アルカリ泉。2階の野天風呂「満願」は14時から23時まで。貸切風呂は15時から23時で、50分1,100円(要予約)です。
日帰り入浴は大人1,000円・小人500円。入れる時間が12:00〜14:00と18:00〜20:00の2つに分かれています(いずれも退館時刻)。それ以外は宿泊客の時間帯です。バスタオルのレンタルは200円です。
三津は伊豆・三津シーパラダイスのある地区です。
戸田温泉 ときわや|創業明治3年、無料の貸切露天
沼津市戸田。創業は明治3年で、150年以上の歴史があります。
特徴は貸切露天風呂が無料なことです。「橘の湯」「鶴亀の湯」の2つがあり、公式サイトによると予約なしで自由に使えます(15:00〜24:00と6:00〜9:30)。戸田港が一望でき、夕日に赤く染まる景色が見られます。
6階には殿方の湯「夕凪」(戸田港・御浜岬の夕日)とご婦人の湯「朝凪」(だるま山からの日の出)があり、男女で見える景色が違います。
大浴場・露天風呂・貸切家族露天風呂はいずれも温泉です(加温・加水・循環式)。日帰り入浴は800円で、6軒のなかでいちばん安い設定です。ただし不定期で休館日があるため、事前の問い合わせが必要です。
戸田については戸田(へだ)の深海魚と海|沼津市の秘境エリアへの行き方でも紹介しています。
KKR沼津はまゆう|熱海から運んだ湯
沼津市志下。志下海岸の目の前に建つ宿で、湯は熱海温泉から運んでいます。
公式サイトによると源泉名は熱海温泉、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物温泉で、源泉63.6℃、pH7.31。加水・加温・循環をしています。伊豆石を使った大浴場と露天風呂があり、大浴場と中浴場は夜と朝で男女が入れ替わります。
大浴場・中浴場ともサウナがありますが、水風呂はありません。
日帰り入浴は平日限定で、14:00〜17:00(受付16:30まで)。大人1,000円・子供700円(3歳〜12歳)で、料金にフェイスタオルが含まれます。バスタオルは250円でレンタルできます。おむつのお子さまは利用できません。繁忙期は断られることがあります。
海のぺんしょん マリンビュー|海まで徒歩5分
沼津市戸田。海まで徒歩5分のペンションで、地元の漁師から直接届く魚が出ます。
湯は天然温泉ではなくミネラル湯(人工温泉)です。露天風呂があります。
日帰り入浴は要問い合わせです。温泉を目当てにするより、戸田の海と魚を目当てに泊まる宿と考えるほうが合っています。
オーシャンビューフジミ|ダイビングの聖地に泊まる
沼津市西浦江梨(大瀬崎)。ダイビングの聖地として知られる大瀬崎にあり、大瀬の宿のなかでいちばん新しい宿です。
沼津市の観光サイトによると、大瀬崎は年間5万人のダイバーが訪れます。全室オーシャンビューで、夏は「快水浴場百選」に選ばれた大瀬海水浴場が目の前です。
近くには海の守護神をまつる大瀬神社、伊豆の七不思議とされる淡水池「神池」、樹齢1000年以上のビャクシン樹林があります。
この宿は公式サイトに日帰り入浴の案内がありません。日帰りで湯だけ使いたい場合は、事前に確認してください。
大瀬崎では大瀬海上花火大会が毎年9月に開かれます。
目的別の選び方
沼津らしい湯に入りたい
翠泉閣の月の湯温泉は、沼津市で唯一のにごり湯です。同じ浴室で富士山の湧き水と入り比べられます。
建物や歴史を楽しみたい
安田屋旅館は国の登録有形文化財で、太宰治が『斜陽』を書いた宿です。ときわやは創業明治3年で150年以上続いています。
海のそばに泊まりたい
6軒のうち5軒が海沿いです。オーシャンビューフジミは全室が海向き、マリンビューは海まで徒歩5分、KKR沼津はまゆうは志下海岸の目の前です。
日帰りで湯だけ使いたい
確実なのはときわや(800円)と安田屋旅館(1,000円)です。KKR沼津はまゆうは平日の14〜17時だけ、翠泉閣は事前に電話が必要です。
宿ではなく、日帰り入浴そのものを目的にした施設も沼津市には5か所あります。道の駅くるら戸田の壱の湯(500円)や、朝7時から入れる駿河の湯などです。
行く前に知っておきたいこと
日帰り入浴は「行けば入れる」ものではありません。6軒のうち条件なしで入れるのはときわやだけで、あとは平日限定・時間限定・事前電話・要問い合わせのいずれかです。宿泊客を優先するのが理由です。
湯の種類がばらばらです。その土地から湧いた湯(翠泉閣・安田屋旅館・ときわや)、よそから運んだ湯(KKR沼津はまゆう)、人工温泉(マリンビュー)と分かれます。
宿泊料金は時期とプランで変わります。各宿の公式サイトか予約サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 沼津に温泉宿は何軒ありますか?
6軒です。翠泉閣・安田屋旅館・ときわや・KKR沼津はまゆう・マリンビュー・オーシャンビューフジミで、この記事で紹介しています。
Q. 沼津らしい温泉はどれですか?
翠泉閣の「月の湯温泉」が沼津市唯一のにごり湯です。アポロが月面着陸した年に掘り当てたことからこの名前が付いています。
Q. 日帰りで入れる宿はどれですか?
ときわや(800円)と安田屋旅館(1,000円・12〜14時/18〜20時)が入りやすく、KKR沼津はまゆうは平日14〜17時、翠泉閣は事前に電話が必要です。マリンビューとオーシャンビューフジミは要問い合わせです。
Q. 太宰治ゆかりの宿はどれですか?
安田屋旅館です。明治20年創業で国の登録有形文化財に指定されており、それぞれの浴室に太宰の小説の題名が付いています。
Q. いちばん安く日帰り入浴できるのはどこですか?
戸田温泉 ときわやの800円です。ただし不定期で休館日があるため、事前の問い合わせが必要です。
まとめ
沼津の温泉宿は6軒。数は少ないものの、にごり湯・太宰ゆかりの文化財・創業150年の老舗・ダイビングの聖地と、1軒ずつまったく違う顔を持っています。
湯にこだわるなら翠泉閣、建物と歴史なら安田屋旅館、海と夕日ならときわや、というように目的で選び分けられるのが沼津の温泉宿です。
日帰り入浴の条件と宿泊料金は変わることがあります。出かける前に各宿の公式サイトで確認してください。
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文・写真:沼津港なび 編集部(沼津港エリア担当)|本記事の情報は2026年8月時点のものです。営業時間・価格は変わる場合があります。
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